安倍総理は、金融緩和、財政出動、成長戦略の三本の矢を引っ込め、強い経済、子育て支援、社会保障の新三本の矢への移行を宣言。

 このアベノミクス第2弾では、「一億総活躍社会」を目標にしました。

 戦前は、「一億一心」、「一億火の玉」、そして、終戦後の東久邇宮内閣では、「一億総懺悔」。古色蒼然とは、こういうことだと思います。

 名目GDPを2020年度に600兆円にすることも掲げています。

 子育て支援では、希望出生率1.8の実現、待機児童ゼロ、幼児教育無償化などを掲げています。

 そのこと自体は国民の誰もが賛成することですが、その財源をどうするのかについての説明はありません。

 介護離職ゼロなどの安心につながる社会保障も、素晴らしいことですが財源はどうするのでしょうか。

 17年4月の消費税10%引上げは、必ずやると言っていますが、その財源は別の社会保障の充実に充てられる予定です。

 安保法案の強行採決による内閣支持率低下を取り戻すために、目くらましの政策変更に他なりません。

 アベノミクス第1段の検証もなされないまま、第2段に移行したのなぜでしょうか。

 確かに、株価は政権発足時の1万80円から1万8千円台に回復。しかし、個人消費は伸びていません。実質賃金指数が、いまだにマイナス3%のままだからです。消費税の増税だけが原因ではありません。

 正規労働者は3年間で約60万人減る一方、非正規労働者は180万人増加。貯金ゼロ世帯もついに3割を超えました。

 貧富の格差は確実に広がりました。

 為替は80円台から120円前後に円安に振れましたが、輸出数量は増えることなく、大企業の帳簿上の利益をふくらませるだけ。

 笛太鼓で始まった日銀のインフレターゲット政策も、先月、ついに消費者物価(除く生鮮食品)がマイナスになってしまいました。むしろ、国債の大量購入により市場をゆがめ、出口戦略が描けない状況になりました。

 成長戦略は、成果が見られません。

 農協改革も形式的な改正で、農業所得の向上とは結びつくような期待が持てません。

 アベノミクスをやりっぱなし、言いっぱなしのまま、反省もなく、美辞麗句だけの次の目標を掲げるのは、いくらなんでも、国民を馬鹿にしてはいませんか。