(今期の集中講義用テキスト)

 今週末、25日の金曜日から3日間、中央大学の大学院で集中講義。

 今回は、水野和夫先生のテキストを使います。

 水野先生とは、昨年、内閣府の国家戦略担当大臣政務官に任命されてから、当時、先生が内閣府審議官をされていた関係で親しくさせていただきました。

 私の主宰する勉強会の講師にもなっていただき、それまでご著書のファンだったので、ご縁に感謝しています。

 「終わりなき危機 君はグローバリゼーションの真実を見たか」は巻末の注記を入れて500ページを超える大著です。

 この本は、著者も認めているように、カール・シュミット「陸と海と 世界史的一考察」を下敷きに16世紀に始まる「海の時代」が終わり、21世紀には「陸の時代」が始まると見立てるパースペクテヴの長い論考です。

 2007年に出版された「人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか」も、500年単位の視座が新鮮でした。





 16世紀の帝国であるロマノフ王朝のロシア、清王朝の中国、ムガール王朝のインド、オスマントルコ帝国が21世紀には国民国家として台頭。一方、米国が21世紀には帝国を目指すとの見立てです。

 17世紀初頭、4大帝国のGDPシェアは6割を超えており、2050年にはいわゆるBrics(ブラジルを入れて)世界シェアが再び6割を超えると予想されるとのことです。

 近著「終わりなき危機」では、1970年代に「大きな物語の時代」が終わり、その後の「バブルの時代」も終わった今、21世紀はどのような時代に向かうのか?判りやすく説かれています。

 前進が「善」であった「近代」は失われ、空間的な成長や、ITを使った疑似空間でのバブルの成長も見込めない、定常的なゼロ成長の時代を迎えることになるのか?

 大きな歴史的な視座と知的刺激に満ちた本書に学生諸君がどのように反応してくれるのか、今から楽しみです。