毎年、この時期には経済財政諮問会議の「骨太の方針」が取りまとめられます。私はトヨタ自動車の渉外部の担当部長時代に、内閣府の政策参与を兼務して、経済財政諮問会議の民間議員の会合に参加していました。

 自民党の族議員と各役所がスクラムを組んで、自分たちの権益を守ろうとする強い抵抗勢力と戦うのが諮問会議の役割でした。私の同期の高橋洋一さんは、その中で、最大の知恵袋でした。

 今日の新聞記事で見る限り、諮問会議が当時のようには機能していないようです。おそらく、年末の予算編成に向けて、自民党の族議員の抵抗にあって、ジリジリと妥協をしていくことでしょう。道路財源を一般財源化して、医療や介護の充実にどれだけ、財源を大胆に配分できるかがポイントです。

 諮問会議が孤軍奮闘するよりも、政権交代があれば、簡単に実現できるわけですが、諮問会議に関わっていた人間としては、「政権交代までは頑張ってくれよ!」とエールを送りたい気分です。しかし、福田総理のリーダーシップの欠如を考えると、そうもいかないと思います。

 消費税の引き上げに関する発言も、これだけ大きくぶれるようでは、一国の宰相としてどうでしょう。秋以降の税制抜本改革論議で、消費税引き上げも含めて検討する意向を示したとたん、自民党内から批判を浴びて、すぐに引っ込めました。

 官僚の天下りを廃止して、無駄な予算を精査する。そして、道路財源の一般財源化やいわゆる特別会計などの埋蔵金を使ってなお、将来の社会保障財源が必要なら、消費税の引き上げの議論も避けてはいけません。民主党も堂々と議論をするべきでしょう。その意味でも、マニフェストをきちんと作る必要があります。

 私は、先述の無駄な予算を財源に使うだけ使ったとしても、将来的には年金の安定化のために消費税の引き上げは避けられないと考えています。特別会計などの埋蔵金とは将来のキャッシュフローを考えて「資産と負債の差額」がプラスになっている状況を言います。年金の会計はこの収支の差額がマイナスなのです。政府の試算でも数百兆円の赤字なのです。これとは別に国の借金が800兆円ですから、まずは政府の資産(埋蔵金を含む)を使って相殺しなければなりません。年金財政を安定させるためには、別途の手立てが必要です。つまり、将来の保険料だけで数百兆円穴埋めすることは不可能ですから、消費税の引き上げを覚悟しなければなりません。一部の政治家が道路利権を漁ったり、天下りの役人の給料を税金でまかなうようなゆとりは全くないのです!

             私たちのために。
             私たちの子供たちのために。  
             私たちの大切な人のために・・・。
             信じられない政治に終止符を打つ。
             そして、信じられる政治を創るために。


岸本周平 公式サイト