衆議院議員 岸本周平 Shuhei Kisimoto Official Website

2014年07月

民主党に明日はあるか?

(日本テレビのBS放送「深層NEWS」に出演して。)

 今日、民主党の両院議員懇談会がありました。

 海江田代表が、この1年間の成果についての総括を報告することが目的です。

 懇談会では、海江田代表の立候補も含む代表選挙の前倒し論とその必要はな区「海江田代表の下で、残りの任期を支えるべしとの議論が、おおよそ半々の状況でした。

 代表戦前倒し論の論拠は、来年の統一地方選挙、さらには衆議院解散総選挙、参議院選挙と2年内に必ずやってくる三つの選挙に備えて挙党一致体制をつくる必要があるというもの。

 反対論は、任期途中での代表戦は、結局は「海江田降ろし」であり、国民から批判された民主党バラバラ論を加速するだけであるというものです。

 私は、今のままでは、衆議院選挙では党が壊滅するという危機感から、前倒しの代表戦ができれば良いと考えていましたが、決定権者は海江田代表なので、「代表選なしで続投」との決定には従い、支えていくことに異議はありません。

 その前提で、両院議員懇談会で、私からは海江田代表、大畠幹事長に、「民主党改革創生会議」の報告書をただちに実施するよう、強く要請しました。

 しかし、お二人ともに、その認識の甘いことが残念でした。私たちが7月25日に報告書をまとめたのは、今日の総括で、その提言を実施すると明言していただきたかったからです。執行部からは危機感が感じられませんでした。

 その後、午後10時からの日本テレビのBS放送「深層NEWS」に出演。民主党に明日はあるか?というテーマです。

 出演者は、民主党から川端達夫代議士、大串博志代議士と私の三人でした。小西美穂キャスター、玉井忠幸読売新聞編集委員の司会で進行。

 私は、番組の中でも、「穏健中道の国民政党」を目指せとの、「民主党改革創生会議」の報告書を今すぐ実行するしかないと、訴えました。

 私が、「民主党改革創生会議」の事務局を引きうけたのは、本当に危機感を持っているからです。

 実は、民主党は政権交代をすることで、その歴史的使命を果たし終わったのかもしれないと思っています。

 番組でも、その旨を申し上げました。

 「だから、新生民主党の歴史的使命を発見する必要がある。それが、安倍自民党の右派路線に対抗する、穏健な中道政治の旗を掲げることで国民の支持を得ることだと思う。

 この1年間、海江田代表にはビジョンがあまりにもなさ過ぎたという批判は甘受すべきだ。

 政治は権力闘争。その意味で民主党は権力闘争がまったくできていない。私は役人の時に自民党を裏で見ていたが、すさまじかった。そういう政治のたくましさみたいなものが我が党には欠けている。」

 そして、誤解を恐れず言えば、「仮に、海江田さんに代表を辞めてほしいという人がいるのであれば、平場ではなく、1対1で勝負をすればいい。」とも言いました。

 しかし、今の党のルールで代表が続投すると決めた以上、その決定に従うことこそ重要なことであると思います。

 表紙を替えても中身が変わらなくては意味がありません。

 「穏健中道の国民政党」を目指して、中身を変えていくよう渾身の力を振り絞る覚悟です。

アベノミクスの失敗―円安でも輸出は増えない!

(トヨフジ海運株式会社のHPより転載)

 アベノミクスの目玉の一つであった円安が定着してきました。

 しかし、貿易赤字は大きくなるばかりです。2012年の赤字は6.9兆円、2013年の赤字は11.5兆円となりました。

 原発が稼働しない中、エネルギー価格と円安のおかげでの輸入額が増えているので仕方がないという説明を聞くことがあります。

 本当にそれだけでしょうか?

 実は、昨年2013年の原油や天然ガスなどの鉱物性燃料の輸入額25.9兆円は、2008年の25.8兆円とほぼ同額です。

 2008年の円建ての鉱物性燃料の輸入単価は2013年とほぼ同額でした。輸入数量は2008年の方が多かったくらいです。

 それでも、2008年の貿易収支は2.1兆円の黒字でした。

 なぜ、2008年と2013年でそんなに大きな差があるのでしょうか?

 ひとえに、輸出が減っているからです。

 円安になったのにも関わらず、2012年、2013年と引き続き、輸出数量は右肩下がりです。

 金額で、2008年と2013年の数字を比べてみましょう。

 自動車などの輸送用機器で、マイナス3.8兆円、電気機器でマイナス3.3兆円、一般機械でマイナス2.5兆円となています。

 2008年はリーマンショック前ですから、輸出が絶好調でしたが、それにしても、2013年はあまりにも輸出がさえません。

 それは、自動車をはじめ海外生産が本格化してきたからです。この流れは、円安になっても変わりません。

 2013年度の海外生産比率(見込み)は21.6%で、5年後の見通しベースでは25.5%です(内閣府「企業動向に関するアンケート調査」、2014年2月28日)。

 その傾向は、最終製品だけではなく、部品産業にまで及んでいます。

 ASEAN向けの自動車部品の輸出数量は今年の6月、前年比マイナス22.3%も落ちこみました(日本経済新聞2014年7月25日朝刊、第5面)。

 円安になれば、日本からの輸出が増えて、景気にプラスになるというのは昔話であり、今では、単に日本全体の購買力が落ちて、貿易赤字が増えるだけです。

 安倍内閣は、時代錯誤の円安政策をいつまで続けるつもりなのでしょうか?

 日本経済の構造変化に早く気付くべきだと思います。

穏健中道の国民政党を目指して!

(民主党「党改革創生会議」の報告書を説明する同会議の日本再建イニシアティヴ船橋洋一議長、法政大学山口二郎副議長の記者会見。)

 民主党の「党改革創生会議」の報告書がまとまりました。

 議長は日本再建イニシアティヴの船橋洋一先生、副議長は法政大学の山口二郎先生です。メンバーは、民主党の地方議員や秘書代表、党の職員など多彩な構成になっています。

 6月4日からスタートして、丸々2か月、私も実務作業チームのメンバーとして議論に参加しました。

 報告書は、4本の柱で構成されています。

 第1部は、「理念」です。

 国民とともに、地方からボトムアップで党を再生すべきであり、そのためにも、「穏健中道の国民政党」という民主党の理念とアイデンティティーを再構築することが要請されます。

 「穏健中道の政治」とは、「国民多数の常識」を基に、普通の人々の生活を支え、自由と多様性の中に共生を図る、そのような政治参画への積極的なコミットメントであると報告書は言います。

 それは、憲法の枠内での自衛力と日米同盟に裏付けられた対話と抑止により平和を構築し、安全保障を維持する基本姿勢につながります。
 
 また、経済を世界に開放し、市場経済を活用し、成長と雇用の増大を図りつつ、同時に格差を縮小し、恵まれない人々に手を差し伸べます。

 そして、たくましく、多様で、連帯する市民社会の力を引出し、その多様な関心をすくい上げるとともに、日本の文化、芸術、ライフスタイルに込められる価値を世界と共有し、包容力のある寛容な社会を築きます。

 このビジョンは、とてもたいせつなものだと私は思います。


 第2部は、「党運営」です。まず、軸足を地方に置くことが要請されます。

 そして、代表選挙にも地方のウエイトが高まるような改正を行い、任期途中の代表選挙でも党員・サポーターの選挙を実施すべきです。

 党員・サポーターのあり方の見直しや、代表のリーダーシップを支える体制の強化や、ネットワーク型のシンクタンクの再構築も行うべきです。


 第3部は「男女共同参画政党」への脱皮を本気で行うことです。

 女性候補の政党クオーター制の導入も含めた「女性候補者擁立方針」を策定し、まずは、来年の統一地方選挙で、県庁所在市の道府県議会議員選挙では女性候補を必ず立てることなどが求められます。


 第4部は、「統一地方選挙へのアクションプラン」が柱です。増税ウオッチ・チーム、女性・若者・非正規労働者支援チーム、女性候補者擁立チーム、原発・エネルギーなどの4分野を重点化してキャンペーンを展開します。

 以上の提言は、本当に重要なご指摘ですが、ここまで来れば、後は、実行するのみです。

 立憲主義と成熟した戦後の民主主義を守るために、理念もなく便宜的に野党再編に走るのではなく、「穏健な中道」を旗印に国民政党に生まれ変わる努力をしていきます。

日韓の架け橋―議員連盟の役割

(日韓・韓日議員連盟の合同幹事会終了後、記念撮影)

 今日は、第33回の日韓・韓日議員連盟の合同幹事会が東京で開催されました。

 私は、日韓議員連盟の事務局長代理をしていますので、運営委員として参加しました。

 このブログでも書きましたが、毎年、東京、ソウルと交代で合同総会を行っています。今年は、10月18日(土)にソウルで開かれることが決まりました。

 総会の際に、下記の委員会を個別に開いて、徹底した議論を行い、決議をします。今回の幹事会では議題を決めました。

 安保・外交委員会、経済・科学技術委員会、社会文化委員会、法的地位委員会、未来委員会。

(韓国のカン・チャンイル韓日議連幹事長のスピーチ。)

 安保・外交委員会では、北朝鮮の核問題や人権問題など、日韓の協力を含む北東アジア地域の平和及び安全保障問題が議題になります。

 経済・科学技術委員会では、エネルギー、環境問題に加え、部品素材など次世代の科学技術の協力推進が議題。

 社会文化委員会では二国間の文化、観光、スポーツ、メディア交流の活性化に向けた国会レベルの相互協力に加え、正しい歴史認識の共有が可能な方法などを探ることが議題になります。

 ただし、歴史認識に関しては、表現ぶりを両議連の幹事長に一任しました。政府間でぎくしゃくしているいまこそ、国会議員同士の外交が重要という点で一致しました。

 法的地位委員会では、地方参政権問題が議題。

 未来委員会では、旅客船の安全管理に関する協力と2015年日韓国交正常化50周年記念事業としての共同セミナーの開催が議題です。

(日韓・韓日議員連盟の合同幹事会の模様)

 そして、新しく、「女性委員会」の設置も決まりました。ここでは、少子化問題と女性政策をテーマに仕事と家庭の両立に関する研究をすることになっています。議論の中で、女性議員だけではなく男性議員の参加も可能になりました。提案者は韓国のシム・ユンジョ議員(男性)でした。

 以上の議題を決める間にも、喧々諤々(けんけんがくかく)の議論を経ました。いつも、東京、ソウルやワシントンなどで顔を合わせている仲間なので、厳しい議論もできるようになりました。

 仲が良くても、それぞれの国益を背負っての政治家同士の対話はきちんとしました。その後、伊吹文明衆議院議長の公邸で昼食会。そこでは、和気あいあいと、ぐっとくだけて友人に戻ります。

 10月のソウルでの合同総会が楽しみです。

(衆議院議長公邸での記念撮影)

「子どもの貧困」をどう解決するのか?

(阿部彩著、「子どもの貧困 I I」、岩波新書、2014年1月)

 厚生労働省が発表した「国民生活基礎調査」によると、2012年の相対的貧困率が16.1%と過去最悪になり、17歳以下の子どもの貧困率は16.3(2011年、15.7)%に達し、全体を上回りました。

 相対的貧困率とは、国民全体の手取りの年収を少ない方から順番に並べて真ん中の金額(2012年は244万円)の半分以下の手取り収入に届かない人の割合のことです。子どもの場合は、同居する親などの所得で計算します。

 こんなに大勢の人々が貧困で苦しんでいることには、まだまだ多くの国民は気づいておられないと思います。先進国の中では、最低ラインのところまで来ています。

 特に、「子どもの」貧困率は高く、ユニセフの調査では、先進20カ国でアメリカ、スペイン、イタリアに次いでワースト4です。

 特に厳しい状況に置かれているのは、以前にこのブログでも書いた「ひとり親世帯」の子どもです。ひとり親世帯の貧困率は2009年の厚生労働省の調査で58.7%とOECD諸国で最悪になっています。

 阿部彩著「子どもの貧困 I I」(岩波新書)によれば、子どもの貧困の問題点は、学力の低下、健康の悪化などに加え、自己肯定感を持てないことによる心理的ストレスなどがあり、その結果として、いわゆる「貧困の連鎖」の問題につながります。

 阿部さんによれば、生活保護受給世帯の子どもが約29万人、児童養護施設在籍の子どもが約3万人。一方、貧困状況にある子どもは約326万人(2009年)。ちなみに児童扶養手当を受けている子どもは約169万人。

 このような状況で、限られた財源の下、どのような政策が望ましいのか?阿部さんも悩みながら政策提言をされています。

 私自身も、同じ問題意識を持ちながら、今は、社会的養護の必要な子どもたちを応援する議員連盟の事務局長として政策の提案をスタートさせたところです。

 阿部さんは、再分配後に貧困率の逆転現象が起きている日本において、少なくともそれを止めるための現金給付の必要性を主張。特に、ひとり親世帯を中心に取り組むとともに、優先的に乳幼児期の子どもの貧困を改善するために現金給付を拡充することを提案しています。

 また、現物給付については、すべての子どもたちにオープンな制度でありながら、所得制限方式でない優先的配分を提案しています。たとえば、定時制高校や夜間中学への予算拡充、児童養護施設、自立支援ホームなど伝統的な施設への大幅な資源投入などです。

 さらに、子どもの居場所づくり(放課後プログラム)やメンター・プログラム(1対1でのケア)の拡充に加え、教育から就労への移行期間の子どもたちへのサービスの重要性も指摘しています。

 以上のご提案はすべて、大きな政治的決断がないと進みません。私のライフワークとして、ぜひとも、子どもの貧困問題に取り組んでいきたいと思います。
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