衆議院議員 岸本周平 Shuhei Kisimoto Official Website

2014年02月

町田徹著「電力と震災 東北「復興」電力物語」

(町田徹著「電力と震災 東北『復興』」電力物語」、日経BP社、2014年)

 ジャーナリストの町田徹氏は、日経新聞記者出身で、「日本郵政 解き放たれた『巨人』」(日本経済新聞社)、「巨大独占 NTTの宿罪」(新潮社)、「JAL再建の真実」(講談社現代新書)、「東電国有化の罠」(ちくま新書)など、硬派の著述で有名です。

 これらの著書の主人公はすべて巨大企業であり、新聞、テレビなどの商業ジャーナリズムの大スポンサーであるため、正面から批判することが難しいテーマばかりです。

 日経新聞の記者時代から、巨大な権力にも真っ向から挑戦してきた町田氏ならではの力作なので、興味のある方はお読みください。

 その彼が、東日本大震災において、東京電力に比べて、地味な役回りだった東北電力の歴史や社風に光を当てた、おもしろい「読み物」を書いてくれました。

 それが、「電力と震災 東北『復興』電力物語」です。

 マグニチュード9.0の震源地により近かった東北電力女川原子力発電所は、ほぼ無傷の上、周辺住民の避難先にまでなったのはなぜか?実際に、津波で被害を受けた火力発電所の復旧の早さや停電からの立ち直りの早さの理由は何か?東京電力と異なり、「計画停電」をしなくてすんだのはなぜか?

 入念な取材をもとに、その背景を私たちに見せてくれます。

 一人ひとりの職員の力、現場の力のすごさが、これでもかと語られます。それは、しかし、東京電力でも東京消防庁や自衛隊でも、同じだったはずです。

 一つには、東北電力の指導者層のリーダーシップがすぐれていたことです。

 さらに、この会社の防災への意識のすごさが歴史的に証明されました。

 東京電力福島第一原発の津波の想定は5.7mでした。その後、2008年に明治三陸地震(1896年)規模の地震を前提に津波の高さを試算しており、その高さは海面から15.7メートルとしましたが、東電はまったく対応しませんでした。

 東北電力女川原発をつくる際には、平井弥之助元副社長が貞観津波や慶長津波クラスの歴史的な巨大津波を想定して、当初想定された3mの高さからほぼ5倍の14.8mに設定することを主張。会社もその主張を認め、原発の敷地は海抜15mになりました。

 そして、東日本大震災では、どちらの原発にも14~15mの津波が襲ったのです。

 この両社の判断の違いが、今回の明暗を分けました。「原子力ムラ」と言っても、個別具体に分けて見ていかなければいけませんね。

 今後の原発問題を考える際に、ぜひとも一読すべき本だと思います。

薬師寺での勉強会

(南海電鉄和歌山市駅前での早朝街頭演説)

 昨日は南海電鉄和歌山市駅前での早朝街頭演説の後、奈良の薬師寺に行ってきました。

 薬師寺で開かれる寺島実郎戦略経営塾に参加するためです。

 和歌山からは、南海電車で難波に出て、近鉄奈良線で西ノ京駅下車、2時間弱の行程でした。案外、近かったです。

 まずは、経営塾の参加者全員で薬師寺境内の見学。金堂で、ご本尊の薬師三尊像にお参りしました。そして、現在、国宝の東塔が解体修理中で、三重の塔の頂点に取り付けられている「水煙」が地上に降りているのを拝観しました。

(4枚ある「水煙」の一つ)



 4枚の水煙には、24体の飛天(天人)が透かし彫りされています。「凍れる音楽」と評される、美しいものです。本来、塔の上にある時には、肉眼でここまで詳しく見ることはできません。


 修理の後は、何百年も地上に降りてこないものですから、たいへん貴重な機会をいただいたことになります。


 その後、薬師寺が奉ずる「法相宗」の教学をインドに求め、17年間の旅の末に経典を持ち帰った玄奘三蔵法師の遺骨をおまつりしている玄奘三蔵院伽藍にお参りしました。

(玄奘三蔵院伽藍入り口)

 玄奘三蔵法師は、孫悟空の登場する西遊記の主人公であることは皆さんご存知の通りです。

 その寓話の通り、艱難辛苦の17年間の旅ですから、出発前に、志を遂げなければ二度と故郷の中国(インドに対して東)に戻らないとの決意を「不東」としたためた玄奘三蔵法師。

 それが、高田好胤元管主の筆で伽藍の正面に掲げられていました。

(玄奘三蔵院伽藍)

 見学ツアーの後は、寺島実郎先生の講義と、山田法胤管主の講義を聞かせていただきました。

 山田法胤管主は、厳しい修行を経てこられた方だけが持つ、突き抜けた暖かさを持つ好々爺でした。関西弁丸出しで、爆笑をさそいながら、しっかりと法話をいただきました。

 「今日の機械文明は神や仏が造ったものではない。全て人間が開発したものである。ところが、その張本人である人間とは何者かということの探求が十二分にされていない。科学者も仏陀から見ると凡夫(愚者)である。」と、「経済成長、合理主義、原子力」などへの懐疑を説かれていました。

 お話の内容もさることながら、山田法胤管主の人間力に圧倒された一日でした。



エルトゥールルが世界を救う!

(NPO法人エルトゥールルが世界を救うのHPから転載)


 今日は、「NPO法人エルトゥルールが世界を救う」主催の講演会が開催されました。

 「エルトゥールル」とは、トルコの軍艦の名前です。

 1890年9月16日、トルコの軍艦エルトゥールル号和歌山県串本町大島沖合で台風のため沈没。乗組員618人全員が暴風雨の海で難破。当時の串本町の町民が献身的な救護活動で、乗組員69人の命を救いました。村中の食糧を供出するとともに、遺体は棺におさめられ、丁重に埋葬されました。

 トルコでは、この物語が伝えられ、親日的な国になっていきます。トルコ政府は、その時の恩返しと1985年のイラン・イラク戦争時にテヘラン空港に取り残された日本人をトルコ航空機で救出。自国民は陸路の脱出となりました。

 このような時空を超えた民族間の美談が、日本では埋もれたままになっていました。

 「NPO法人エルトゥールルが世界を救う」の努力で、日本・トルコ合作で映画化されます。メガホンを取るのは「利休にたずねよ」でモントリオール世界映画祭受賞の田中光敏監督。

 今日の講演会は、田中光敏監督の「映画プロジェクトを語る」でした。

 私も発足以来のNPO法人エルトゥールルが世界を救うの会員です。会長の浦聖治さんはじめ関係者の皆さんの並々ならぬご努力で映画化が進んでいます。

 和歌山県以外の方々は、案外、この物語をご存じありません。トルコが世界で一番親日的なのは、エルトゥールル号のおかげです。

 今年の夏、クランクイン、来年の公開予定ですが、今から、楽しみですね。


岸本周平を囲む新春の集い

(岸本周平を囲む新春の集い)

 この週末には、中央大学大学院の集中講義が終わりしだい和歌山に戻り、地元活動に。

 その中で、個人後援会の一つである「周平会」の皆さんに、毎年恒例の「新春の集い」を開いていただきました。

 利権もなければ見返りも何もない、ただただ「岸本周平を信じて応援」してくださる皆さんの集まりです。

 落選中から、私を政治家として育ててくださった、「岸本周平党」の皆さんには感謝の思いでいっぱいです。

 4年間の浪人時代を支えていただき、2009年に初当選後も党派を超えて応援いただきました。

 2012年の逆風の選挙にも生き残れたのは、このような党派を超えて個人で応援して下さる皆さんのおかげです。

 私自身、価値観の多様性を認める穏健な保守政治家、いわゆるリベラル保守の政治家を目指しています。

 このような信念で、政治活動ができるのも草野の根の応援団のおかげだと感謝の気持ちを忘れないようにとの思いを再確認した一日となりました。

 

中央大学大学院の集中講義

(中央大学市ヶ谷田町キャンパスからの雪景色)

 中央大学大学院の客員教授として、集中講義をするのは今年で9年目。

 仕事柄、冬期の集中講義にしてもらっています。今日と明日の二日間、朝から晩まで缶詰でゼミをやります。

 1996年にプリンストン大学で教鞭を取ってから、帰国後も、埼玉大学経済学部、同大学院を経て、中央大学の大学院で教えています。

 官僚時代も、落選中も、議員になってからもずーと二足のわらじを履いています。最近は論文を書くことはできなくなりましたが、アカデミックな環境と、若い学生さん達との交流が知的な刺激を与えてくれます。

 今年は、ハーバード大学のニーアル・ファーガソン教授の「劣化国家」と北海道大学の中島岳志准教授の「リベラル保守宣言」を講読するゼミです。

 それぞれ、過去のブログで紹介している本ですので、参照していただければ幸いです。

 私自身、政治家として大きな壁にぶつかっている現状を打破するために、必死の思いで読み込んだ二册です。今の時代に真っ正面からアドレスしている本だと思います。

 歴史修正主義に陥り、ほんとうの保守主義から逸脱している安倍内閣への警鐘を鳴らさなければと考えていますが、野党の力不足で国民の共感を得られていません。

 国のあり方も、これまでのような政府主導のやり方が機能しなくなっていることにどう対応するのか、難しい課題です。

 そんなことを学生さんたちと自由に議論する場は、とても有り難い機会です。

 もっとも、今日は大雪の影響で講義は午前中のみ。午後は学生を早く帰らせるため休講にしました。

 私の方は、衆議院の本会議が入ったので、午後は国会に戻りました。

 明日は教師に戻って、朝から晩まで、じっくりと講義します。



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