衆議院議員 岸本周平 Shuhei Kisimoto Official Website

2013年02月

佐々木毅著「アメリカの保守とリベラル」

(佐々木毅著「アメリカの保守とリベラル」)


 久しぶりに、大学時代の政治学の恩師である佐々木毅先生の「アメリカの保守とリベラル」を読み返しました。

 二度の政権交代を経て、保守とは何か、リベラルとは何か、一度整理しておきたかったからです。



 ヨーロッパでの「保守主義」は、自由主義や人民主権を否定し、社会的な不平等や権威を擁護するものでした。それに対抗して、個人を国家に先立つものとして位置づけ、その生来の権利を政府の侵害から守るのが「自由主義」でした。

 一方、アメリカは元々身分制といった封建的な社会制度がありませんから、ヨーロッパで言うところの「自由主義」が基本となります。

 その上で、個人主義的で競争を強調する自由放任主義の古いタイプの「自由主義」がアメリカでは「保守主義」と呼ばれるようになります。ヨーロッパから見れば、アメリカの「保守主義」は「自由主義」ということになります。

 アメリカでは、個人のより高度な発達を目標に、経済面での政府の役割を強調する流れが「自由主義(リベラリズム)」と呼ばれました。ヨーロッパから見れば、アメリカの「リベラリズム」はどちらかと言えば「社会民主主義」に近いものです。

 政党で言えば、共和党が保守主義、民主党がリベラリズムという仕分けになります。

 1960年代のアメリカでは、保守主義は「機会の平等」や「小さな政府」を主張し、リベラリズムは「結果の平等」や「大きな政府」を推進します。

 実際には、60年代から70年代にかけて、ニクソンの共和党の前後はリベラルの民主党が政権を担います。

 80年代は、レーガンが代表する共和党の保守主義、いわゆる「新自由主義」が勢いを得ます。

 そして、90年代には、保守主義もリベラリズムをも否定し、「新しいパラダイム」を訴えたクリントンが政権を担います。彼は民主党の大統領ですが、「新自由主義」だけでなく、大きな政府も否定します。

 同時期のイギリスで、サッチャーの「新自由主義」と労働党の社会民主主義を否定し、「第三の道」を訴えたブレアが首相になることと呼応しています。


 この間、日本では長期の自民党一党独裁政治が続き、中曽根首相が、やはり「新自由主義」の系譜を名乗り、小泉政権もその路線を踏襲します。

 細川政権ができるまでは、万年野党の社会党との1.5大政党制が続き、民主党結党後の2000年の総選挙以降、ようやく2大政党制となり、2回の政権交代が起きたわけです。

 しかし、よく見ると、2000年から昨年までの5回の選挙で、民主党の獲得議席は、127、177、113、308、57で、自民党は、233、237、296、119、294となっています。

 自民党は前半、確実に230議席以上を獲得し、民主党は100議席台しかなかったのです。2009年の選挙でバブルとも言える300台に乗せたものの、今回は57議席となりました。仮に、新しい政党の日本維新の会の54議席を足しても111議席。二大政党の一役を担うには足腰が弱すぎるということです。

 民主党が立ち直るためには、もう一度、基本に立ち返り、保守とリベラルの立ち位置を整理するべきだと考えます。

 ちなみに、自民党は中曽根、小泉両政権以外では、当時の社会党の政策を丸呑みし、福祉国家の「大きな政府」を実現していきます。いわば、社会民主主義的な政策を自民党が実施するという意味では、アメリカで言う「リベラル」政党だったため、政党間で保守とリベラルの差異化ができませんでした。

 その結果、日本では、これまで「第三の道」を具現化する政党は現れなかったのだと思います。

 このブログでは、しばらく保守とリベラルの整理を何回かに分けて書いていく予定です。

 


 
 

春節餃子会

(見よう見まねで餃子の皮をつくる岸本周平)

 今日は、地元和歌山での活動日です。

 メインイベントは和歌山日中友好協会の恒例行事「春節餃子会」です。

 毎年、旧正月に合わせて、日中協会で、餃子を作ります。中国からの留学生や、大阪の中国総領事館の皆さんにも応援いただきます。

 私も、1時間かけて餃子の皮を作りました。毎年、やっているのですが、なかなかコツがつかめません。

 中国人の留学生が10個作る間に、私は、2、3個が精一杯です。



 しかも、スリコギの小さい棒を使い、皮の真ん中を肉厚にして、まん丸に引き伸ばさねばなりませんが、私の皮は正方形になってしまいます(涙)。
 
 大勢で、ワイワイと談笑しながら、餃子を作るのは楽しいものでした。


 中国の総領事館からは、王君朝領事がご家族と一緒に参加してくれました。総領事館の料理長も連れて来てくださり、本場の餃子の作り方を教えていただきました。

 餃子を作り終えてから、ようやく「春節餃子会」が始まり、来賓としてごあいさつをさせてもらいました。



 残念ながら、次の仕事があり、私も一部作った餃子が出てくる前に退席、、、、涙、涙、、、。

 来年は、ぜひ、完成した餃子を食べたいものです。

二宮金次郎の一生



 今週は、補正予算の審議が参議院に移りました。おかげで、衆議院予算委員会が開かれず、少しは時間の余裕ができました。

 議員会館で書類整理をしたり、マイナンバー法案の政府提出法案の研究をしている合間に、三戸岡道夫著「二宮金次郎の一生」を読みました。

 たまたま、ゼンショーの小川賢太郎社長との勉強会で、小川さんから、推薦されたものです。

 薪をしょって、読書しながら歩いている二宮金次郎の銅像は、私の小学校にもあった記憶があります。

 改めて、三戸岡道夫さんの著書を読んで、すぐれた経営者であり、革命家でもあった二宮尊徳翁の偉大さに感動しました。

 夜の読書のために、菜種の種を荒れ地に植えて、何十倍もの収穫をし、菜種油を手にした経験から、「積小為大」(ちょっとずつでも続ければいずれ大きな成果が出る。)という考え方を一生貫くことになります。

 最貧困の農民から、身を立て、富農になり、多くの藩の財政再建を成し遂げ、ついには幕府の役人として日光東照宮の再建に尽力することになる。

 その人生は、合理的な戦略思考に基づく、努力の積み重ねでした。

 農業の産出は半分税金がかかる(五公五民)が日雇いや薪、草履の現金収入には税金がかからないという当時の社会システムの中で、自己の能力を税金のかからない分野に傾斜配分する合理性には、脱帽した。

 また、財政再建のために、10年以上の長期計画を立て、過去の平均から目標の収穫高(実力ベース)を割り出し、10年後にはその収穫高を提供するが、その間、現実に収穫されている収穫高(分度)まで、藩政の支出を落とさせる。

 10年間、仮に、分度を超える収穫があっても、藩には返さず、復興資金に充てる。

 そうすると、藩の武士の生活は苦しいままだが、農村では、インフラが整備され、貧農が富農に転換する可能性が高まる。

 実際、最貧農に富農への道を開きながら、武士の生活水準を上げなかったため、武士からの執拗な攻撃を受け、改革がとん挫しかかるのだが、二宮は彼の理想論を曲げようとはしなかった。

 百姓一揆以外に、貧農の生活水準を上げる方法がないと思われていた江戸時代末期、二宮は現実的な革命家として社会の格差是正を実現したのであった。

 また、最貧農を救うに際しても、資金を恵むのではなく、資金や米を貸して、後で必ず回収するという方法論は、戦後の日本のODA(政府開発援助)と同じ理屈に基づいており、自らの経験と判断で合理的な方法を確立したことには尊敬以外に言葉はありません。

 今、日本の最大の問題の一つである「貧困」へのアドレスには、「二宮金次郎の一生」は、私たち政治家に大きなヒントを与えるものと思います。

キットカット

(Kit Katのわさび味)

 東短リサーチの加藤出さんと意見交換をしてきました。

 アベノミクスの持続可能性が話題になりました。

 加藤さんは、吉川洋東大教授の近著「デフレーション」の引用という形で、彼のレポートにも書かれていますが、安倍さんの「デフレの要因は100%貨幣現象で説明できる。」との国会答弁には疑問を呈しています。

 以下、加藤さんのレポートを要約します。

「吉川洋授は、デフレは日銀の金融政策の失敗だけで起きたのではなく、新しいモノやサービスを生 み出す需要創出型のイノベーションを日本企業が起こせなくなったことが問題と指摘。

  デフレはインフレの逆。金融緩和によってデフレは止められるはずと考えるのは自然。ただし、インフレが金融引き締めで止まるの は、「インフレは貨幣的な現象」だからではない。高金利により、インフレを退治するのに 十分なほど深刻な不況を「実体経済」に生み出すことができるから。

 マーシャルは19世紀のイギリスの長期デフレの原因を、貨幣数量の変動以外に積極的に求めた。デフレは、マネーサプライよりも、安価な輸入財の新たな供給源、輸 送コストの低下、科学技術の進歩による生産費用の低下、資本コストの低下によって生み 出されたと彼は言った。

 ケインズもデフレは貨幣数量説で説明できないと言っていた。1890〜1896年に、イギリスで はマネーサプライとハイパワードマネーが 2 倍から 3 倍に増加したのに、物価は十数%下落した。ケインズは投資が異常に落ち込んだことこそがデフレの原因だと述べた。」

 私は、加藤さんの意見に賛成です。

 帰り際に、加藤さんから、ネスレの「Kit Kat」のわさび味バージョンをいただきました。

 今、海外出張のお土産に超人気だそうです。特にイギリスの金融関係者にはウケるそうです。

 ネスレがヨーロッパの企業名ので、なじみがあることに加え、イギリスでも、「Sushi」や「Sashimi」などの日本料理が日常生活に入り込んでいるので、皆さん、わさび味をご存知だからとのこと。

 食べてみましたが、確かに、イケテルかも!!

衆議院予算委員会での組み替え動議提案!




 今日は、衆議院予算委員会で24年度補正予算案の採決がありました。

 私は民主党を代表して、補正予算の組み替え動議の提案理由説明をしました。

 責任野党としては、協力すべきは協力と考えていますので、本来、緊急な補正予算案には賛成したかったのですが、以下の提案理由により、やむを得ず反対になりました。本当に残念です。


 「私は民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました政府提案の平成24年度補正予算3案を撤回のうえ編成替えを求めるの動議に関して、その趣旨を御説明いたします。

 まずは編成替えを求める理由を申し述べます。

「民主党としても一定規模の補正予算は必要であると考えますが、問題はその中身であります。安倍内閣の経済対策、これを実行するための補正予算は旧来型の公共事業の大盤振る舞いであり、その財源を確保するために5兆円を超える国債の追加発行を予定しています。

 かつての自民党政権下では、バブル崩壊以降、200兆円を超える公共事業を行ってきましたが、結果として経済再生には繋がらず、将来の子どもたちに借金の山を残すこととなりました。

 政権に復帰した自民党によって、同じ失敗が繰り返される、極めて大きな懸念があります。まず、補正予算に計上されている公共事業の年度内執行は極めて困難ですし、財政法に定める「特に緊要となった経費」と言えるかどうか疑問です。

 また、今でも復興需要などから人件費、資材費が高騰する中、補正予算の過大な公共事業により、被災地の復興が遅れるおそれがあります。さらに、政府として、費用対効果分析などの経済効果が示せないような公共事業が将来の成長につながるかどうか大きな懸念があります。

 同時に、補正予算で多額の国債を発行することで、見せかけ上、来年度当初予算の国債発行額を抑制することは、財政の透明性の観点から大問題です。安倍内閣は、来年度予算において借金収入が税収を上回る異常な状態を解消できたと胸を張りますが、その実態は、補正回しによって、今年度補正予算と合わせると民主党政権時を大幅に上回る国債を発行することで公共事業をばらまいているのです。


 私が財政演説に対する代表質問で指摘したように、補正予算は財政規律が甘くなりがちです。その結果、我が国は昨年末で997兆円、国民一人当たり約782万円の借金を抱え込むことになっています。 補正予算は、財政法の規定に基づき、「特に緊要となった経費の支出」でかつ年度内執行可能な支出に限定すべきであると改めて指摘をしておきます。




 次に編成替えの概要をご説明致します。

 今申し上げたように、政府提案の補正予算に計上されているものの内、「社会資本整備総合交付金」を含む「復興・防災対策」及び「暮らしの安心・地域活性化」以外の新規公共事業と「防災・安全社会資本整備交付金」及び「農山漁村地域整備交付金」は、年度内執行の補正予算の原則に反し、被災地の復興の妨げとなるおそれがあり、これを補正予算に計上することは適当ではありません。

 また、このような実質的に次年度に繰り越される事業の財源を確保するための国債発行を今年度補正予算に計上することは、財政の透明性に反することから、是正する必要があります。

 よって、今申し上げた新規公共事業及び3つの交付金については、補正予算に計上する1兆2017億円を削減し、また交付金に係わる事業の地方負担分を補填することとしている「地域の元気臨時交付金」についても、この削減に対応する額6942億円を削減することとしております。その結果、これら公共事業関連の支出の削減に伴い不要となる建設国債の発行額1兆8959億円を削減いたします。

 以上が、民主党・無所属クラブの組み替え案の概要であります。

 何とぞ私どもの動議に委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げまして、提案理由説明といたします。」


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