衆議院議員 岸本周平 Shuhei Kisimoto Official Website

2013年01月

アベノミクスの評価ーその1

 安部新政権になって、円安が進み、株価が上昇したことは、「アベノミクス」と言われる経済政策への期待によるものかどうかはよくわかりません。

 しかし、市場の「気」が変わって、景気回復にプラスの方向に転じるきっかけになったことは素直に評価したいと思います。

 そして、ついに先週の22日(火)、日本銀行はインフレ目標2%の導入を決めました。残念ながら、政府と日銀がそれを明記した共同声明を発表したことについて、海外メディアの評価は厳しく、落胆した市場では円が買い戻され、株価は下落しました。

 そもそも、これまでの日本銀行の「物価目標」は1%でした。

 足元の物価はまさにプラスマイナスゼロ近辺をウロウロしています。

 ですから、当初は日本銀行も、あのバブル期でも消費者物価が2%を越えることがなく、余りにも実現可能性がなさ過ぎると、2%には抵抗していました。

 しかし、自民党が先の総選挙で圧勝し、2%目標を掲げないなら、日銀総裁の解任権復活の法改正もありうべしなどど強い圧力をかけた結果、手の平を返すような態度になります。

 政治サイドが中央銀行に、このような明らかな圧力をかけることには私は賛成できません。

 安倍さんや麻生さんは「中央銀行の独立性」に関して、どのような歴史観を持っておられるのでしょうか?

 どうしても選挙のことを考えざるを得ない政治サイドから、中央銀行の独立性を保ち、金融政策がゆがまないようにすることが歴史の知恵なのです。

 また、国債の日銀引き受けを強制し、国の破たんを招いた日本政府が、1997年になって、戦前の総裁解任権の規定を廃止する日銀法改正を行った史実をお二人はご存じないのでしょうか?

 このことは、予算委員会でも追及していきたいと思います。

 それはさて置き、今回の日銀の決定が、市場から評価されなかった理由は次の通りです。

 まず、インフレ目標2%の達成の時期が不明確。「できるだけ早期に実現することを目指す」と表明しただけなのです。これなら、単なる努力目標です。

 しかも、政策委員による物価上昇見通しは、2013年度で0.4%。来年度の14年度でも0.9%としています。まるで2%には届きません。つまり目標達成は2年も3年も先となり、期限がないのと同じです。

 そして何より、目標を達成するための手段が市場に見切られました。

 基金による買い入れは、14年初からは期限を定めず毎月一定額の金融資産を購入する。当分の間、国債を毎月13 兆円程度(長期国債約2 兆円、短期国債約10 兆円)買い入れる。その他の金融資産は残高を維持するよう買入れるとした。

 日銀は、これにより基金の残高が14年中に10兆円程度増加し、それ以降残高は維持される見込みと発表。毎月13兆円も買い入れるのに、年間で10兆円しか増えないのは不思議でしょう?

 これは、毎月買う短期国債は1年以内に償還されるので、日銀の勘定の中ですぐにキャッシュに変わるからです。今は34兆円程度の基金の残高増ですから、結局、今よりも買わないと言うことを世間にオープンにしたことになります。「無制限緩和」でないことは明らか。

 さらに、金融政策決定会合後の公表文で、「金融政策の効果波及には相応の時間を要する」と指摘しています。今までと、何ら変わらない姿勢を強調。

 ですから、大胆な金融政策を期待していた金融市場が落胆したのです。

 「大山鳴動してネズミ一匹」というのが、今回のインフレ目標2%騒動のてん末でした。

 私のように、中央銀行の独立性を重んじる立場からは、「結果オーライ」ということにはなりますが(苦笑)。

 どちらにしても、政府も経済成長のための規制改革に努め、日本銀行にのみ責任転嫁してお茶を濁さないように頑張ってくべきです。

 政治家が日銀叩きをする場合は、責任逃れの可能性が高いと見るべきです。

中央大学大学院集中講義


 

 25日の金曜日から、中央大学の大学院公共政策研究科で2012年度後期の集中講義をやっています。

 テキストは水野和夫著「終わりなき危機 君はグローバリゼーションの真実を見たか」(日本経済新聞出版社 2011年9月)




 この本を事前に読み込んできてもらいます。そして、内容の要約をしてコメントをレポートして提出。それをプレゼンしてもらいながら、一緒に読み解いていきます。

 プリンストン大学の講師時代からの教え方です。先生が講義をするのではなく、学生さん達の討議をリードしながら、アドバイスします。何か、内容を教えるのではなく、問題へのアプローチの仕方のヒントを与えるというやり方です。

 教授が一方的に、講義をするのは古過ぎます。プリンストン大学で、学生に授業を作らせていく手法を学んだことは、私の財産の一つですね。



(左から石川さん、宗形さん。)

 今期の学生さんは二人。公共政策研究科修士1年生の石川隆彦さんと宗形英明さん。

 宗形さんは今年の4月から福島県郡山市役所に就職が決定。働きながら修士論文を書いて学位を取る予定。石川さんは国家公務員試験とマスコミへの就職を目指しておられます。

 二人とも、まじめで勉強熱心な学生さんです。


 2005年度から、中央大学客員教授として、公共政策研究科のゼミを引き受けています、今年で8年目になります。

 まだ、トヨタ自動車の社員の頃に契約していただいたので、毎週土曜日に講義する予定でしたが、その年、突然の衆議院総選挙に立候補、落選。4年間の浪人時代、そして現職の国会議員。この間、90分授業の15コマ分を常に集中講義で対応させてもらいました。

 最初の頃は、「高尾山のわくわくヴィレッジ」で泊まり込み合宿講義などもやりました。

 2007年合宿講義 2007年合宿講義2日目

 市ヶ谷田町キャンパスができてからは、週末の三日間を使って集中講義をお願いしています。

 朝から晩まで、缶詰状態の集中講義ですから、終わったら、コンパです。少人数のクラスですから、キャンパス近くの居酒屋に直行できます。若い院生の諸君の人生相談に乗るのも、大学教授の楽しみの一つです。飲み過ぎずに、しっかり勉強しましょうね。




水野和夫先生


(今期の集中講義用テキスト)

 今週末、25日の金曜日から3日間、中央大学の大学院で集中講義。

 今回は、水野和夫先生のテキストを使います。

 水野先生とは、昨年、内閣府の国家戦略担当大臣政務官に任命されてから、当時、先生が内閣府審議官をされていた関係で親しくさせていただきました。

 私の主宰する勉強会の講師にもなっていただき、それまでご著書のファンだったので、ご縁に感謝しています。

 「終わりなき危機 君はグローバリゼーションの真実を見たか」は巻末の注記を入れて500ページを超える大著です。

 この本は、著者も認めているように、カール・シュミット「陸と海と 世界史的一考察」を下敷きに16世紀に始まる「海の時代」が終わり、21世紀には「陸の時代」が始まると見立てるパースペクテヴの長い論考です。

 2007年に出版された「人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか」も、500年単位の視座が新鮮でした。





 16世紀の帝国であるロマノフ王朝のロシア、清王朝の中国、ムガール王朝のインド、オスマントルコ帝国が21世紀には国民国家として台頭。一方、米国が21世紀には帝国を目指すとの見立てです。

 17世紀初頭、4大帝国のGDPシェアは6割を超えており、2050年にはいわゆるBrics(ブラジルを入れて)世界シェアが再び6割を超えると予想されるとのことです。

 近著「終わりなき危機」では、1970年代に「大きな物語の時代」が終わり、その後の「バブルの時代」も終わった今、21世紀はどのような時代に向かうのか?判りやすく説かれています。

 前進が「善」であった「近代」は失われ、空間的な成長や、ITを使った疑似空間でのバブルの成長も見込めない、定常的なゼロ成長の時代を迎えることになるのか?

 大きな歴史的な視座と知的刺激に満ちた本書に学生諸君がどのように反応してくれるのか、今から楽しみです。
 

アルジェリアの人質事件に思う

 週末から、アルジェリアの人質事件の報道が続けられています。

 外国でのテロ事件などでの日本人の保護のあり方、アフリカでの大使館駐在武官の手薄さの問題(エジプトとスーダンのみ)、政府専用機の使い方や、自衛隊法の改正問題などが、まず議論されます。

 毎回、同じ論争が行われますが、時間の経過とともに忘れ去られ、事件が起きたらまた同じことの繰り返しです。

 威勢の良い議論よりも、このような根源的な問題について、私たち政治家は今こそ真剣に提案し、制度を構築すべきです。

 まさに超党派で、専門委員会をつくって、対処すべきです。野党の私たちから訴えるべきで、協力すべきは協力します。

 もう一つ、マスコミ報道に関して、昔から違和感がぬぐえないことが一つあります。

 海外での事件の場合、日本のマスコミは「邦人の犠牲」にのみ焦点を合わせ過ぎではないでしょうか?

 邦人保護や救出は日本国政府の重要なミッションです。最大限の努力をすべきですし、足りなければ批判されてもしかたありません。

 しかし、人命には何国人であれ、軽重はありません。

 時折、「邦人の被害がなくて、ホッとする」式の報道もあってあきれます。

 今でも、ソマリア沖の海賊によって100人以上のフィリピン人が人質になっています。

 日本のマスコミはほとんど報道しません。


 何より、なぜソマリア沖の海賊がテロを起こすのか?アルジェリアのガス田を多国籍のイスラム武装集団が襲撃するのか?その原因をていねいに解説した記事を読んだためしがありません。

ソマリア沖の海賊に関する岸本周平ブログ


 冷戦後の世界における宗教回帰。そして「文明の衝突」。米国による根拠のないイラク戦争によるパラドクスで、イランがイスラム原理主義に回帰したこと。

 ユダヤ・パレスチナ問題も、元はと言えば、第二次大戦後の英国や米国の横暴に起因する面もあります。

 日本を含むいわゆる「昔で言えば西側諸国、今は米国にロシアも中国も含めた非イスラム圏」への攻撃はすべて悪で、邦人の被害がなければ我関せず、、、との発想は思考停止そのものではないでしょうか?

 もちろんテロという手段は絶対に許されるものではありません。

 今後は、国会の場で、議論を深めていきたいと考えています。

                    私たちのために。
                    私たちの子どもたちのために。  
                    私たちの大切な人のために・・・。
                    信じられない政治に終止符を打つ。 

民主党税調始動!


(民主党税制調査会の役員メンバーです。)

 国会月末の28日(月)から始まりますが、野党の私たちも、今日初めて、税制改正に向けて税調総会が開催されました。

 与党ではありませんので、部門会議も毎日開かれるわけではありません。

 私自身も先週までは、地元密着の生活でした。

 しかし、今週は、党税調の幹部会、役員会が断続的に行われました。なので、私も連休明けの15日(火)から上京(ただし、地元の新年会もあって、東京と和歌山を2往復しましたが、、、)。

 新体制では、松本剛明会長、古本伸一郎事務局長の下、事務局長代理を拝命しました。

 これまでは、事務局次長として、議事進行を任されていましたが、それは卒業させていただきました。

 いささか寂しい気持ちもありますが、組織は新陳代謝が必要です。

 今後は、より大所高所から党税調の審議に貢献していきます。

 野党ではありますが、税制改正は昨年の三党合意を基に行われます。

 政府の税制改正大綱は来週の24日(木)頃の予定です。

 それまでに、自公民の三党で主な改正事項は合意をする必要があります。

 来年の4月に消費税が5%から8%に引き上げれるわけですが、その前に、低所得者対策や、自動車関連税制の見直し、住宅関連税制の手当などを決める事を昨年決めたのです。しかし、理屈の上からは、来年4月に間に合わせるためには、今年12月に決める来年度の税制改正法案でも間に合います。自民党と公明党では税制に関するスタンスがかなり違いますので、どうも先送りになりそうです。


 しかし、今回は、少なくとも格差是正のための所得税と相続税の改正については、自公民の三党で合意ができそうです。

 結論は来週の21日(月)に出そうです。

 今日の総会では、所得税については最高税率を40%から45%に引き上げ、その対象は公明党の主張する所得3000万円と民主党の成案である5000万円の間で決着の見込み。

 相続税については、基礎控除を5000万円から3000万円に。法定相続人の控除は1000万円から600万円に。相続財産6億円超を対象に最高税率55%を新設。

 おそらく、そのような内容になるのではないかと、交渉担当の松本税調会長から説明があり、総会では、結論は松本会長に一任されました。

 実は、私の感覚では、所得税も地方負担を入れて最高50%が限度であり、相続税も最高税率は50%までと思っています。

 江戸時代でも、五公五民が年貢の水準でした。論理的に割り切れるものではありませんが、肌感覚で、頑張って所得を稼いで財産を作ったら、まあ、国との間では折半かな、、、という単純なセンスです。

 しかし、改正案が自公民の主流の考えなのであれば、ことさらに異を唱えて組織の和を乱すつもりもありません。組織決定には従います。

 今日、金帰月来で和歌山に戻りましたが、東京ではまだ雪が残っていましたよ。おお、さぶ!! 





                    私たちのために。
                    私たちの子どもたちのために。  
                    私たちの大切な人のために・・・。
                    信じられない政治に終止符を打つ。 
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